「うない処女の伝説」では、2人の若者が水鳥を撃った舞台は生田川でした。生田川は、現在では「HAT神戸」の西端で海に注いでいます。
HAT神戸
兵庫県立美術館ホームページより
「HAT」は「Happy Active Town」の頭文字を組み合わせた東部新都心の愛称です。
事業着手にあわせて公募を行い、1,800通を超す応募作の中から、「HAT神戸」に決定しました。摩耶山の南、ウォーターフロントに開ける当地区が、文字通り、ハッと変貌し、だれもが幸福で、活気あふれる街となるようにという願いが込められています(神戸市ホームページより)。
昔このあたりはすべて海でしたが、阪神電車が岩屋駅以西を地下鉄にしたときの土砂で埋立地ができ、それがHAT神戸へと発展しました。震災前には神戸製鋼や川崎重工などの工場がありましたが、現在では、県立美術館やJICA(国際協力機構)、赤十字病院のほか、ショッピングセンターやスーパー銭湯などの施設が集う中心部を、URや公営住宅などの住宅ゾーンが挟む形になっています。
生田川の付け替え
生田川はうはらの西端で、八部郡との境界となっていましたが、もともとは今の場所より800m西側を流れていました。現在の三宮のメインストリートである「フラワーロード」の位置です。当時は川幅が80~90mもありましたが、よく氾濫したため明治初期に付替えられました。この付け替えによって神戸中心街の街並みが決定づけられたのです。
フラワーロードは昔、生田川だった(神戸市ホームページ)
うない処女の絵でも、水鳥が浮かぶのはまるで海のような広い川でした。今の生田川とはかなり印象が違います。ただ、海にそそぐ河口付近はHAT神戸の最西端「HATゆめ公園」と接していて、今でも水鳥の飛来を見ることができます。