物語のロケーションガイド

王子動物園ハンター住宅

パンダの洋館

王子動物園・旧ハンター住宅

 「世界中で人気もの」のジャイアントパンダは、1995年の阪神淡路大震災からの復興応援で、2000年に中国から来たメスのタンタンです。神戸市立王子動物園で飼育されていましたが、2024年3月に亡くなりました。

王子動物園

王子動物園入り口

 タンタンはパンダにしてはやや手足が短く、おっとりしていてたまに頑固な性格から「神戸のお嬢様」として世界中にファンがいました。

タンタン

晩年のようす

 タンタンは、はじめはつがいでやってきましたが、オスのほうは中国に帰ったり死別したりしてシングルに戻り、2020年にレンタル期間が終了して返還が決定していました。しかし、新型コロナCovid-19の流行とタンタン自身も高齢で心臓を悪くしていたので、何度も延期されたのです。そして最後は、日本で生涯を閉じました。追悼式には各地からファンが駆けつけて、その愛くるしさに癒された人々から「今までありがとう」のメッセージが多数寄せられました。

献花台

 この王子動物園は、阪急電車「王子公園」駅からすぐの場所です。中には小さな子ども向けの遊園地があり、動物の種類も充実していましたが、老朽化と施設が動物愛護の観点から問題視されたこともあって、1951年の開園から70年の2021年に再整備が決定しました。

 園内

旧ハンター邸

 オオナが会いに行ったタンタンは、お嬢様らしく洋館住まいをしていましたが、実際はこの洋館はパンダの飼育舎のあった場所から動物園のさらに奥へ進んだ場所にあります。

 神戸では北野に異人館がいくつかあり、この「旧ハンター住宅」もその中のひとつだったのを神戸市が所有し、1963年に動物園の中に移築したのです。イギリス人のエドワード・ハズレット・ハンター氏の邸宅でした。

 北野以外にも神戸市内にはたくさんの西洋人が残した建物があり、建築物として貴重なものであっても、老朽化や維持管理のコストなどから取り壊されることも多いのが現状です。でも、神戸市が「この時代の異人館の最もすぐれたもの」と認めているこの建物は残される方向にあり、もともとあった北野町への再移転が計画されています。

神戸市「文化施設」のページ

関連記事

最近の投稿

PAGE TOP